大阪通天閣、展望台よりもタワースライダーが思い出に残った日

新世界アーケードの真ん中に立つと、路地の奥に通天閣が丸ごと吊り下がっている。大阪に来るたびにここを通り過ぎていたが、子どもたちを連れてきたこの時は、結局チケットを切った。曇った冬の午後で、アーケードの床のタイルが濡れていた。写真を撮ろうと位置を決めるのに、後ろから来る自転車のベルに何度も譲った。

大阪 · 通天閣展望台

新世界アーケードの真ん中に立つと、路地の奥に通天閣が丸ごと吊り下がっている。大阪に来るたびにここを通り過ぎていたが、子どもたちを連れてきたこの時は、結局チケットを切った。曇った冬の午後で、アーケードの床のタイルが濡れていた。写真を撮ろうと位置を決めるのに、後ろから来る自転車のベルに何度も譲った。

新世界アーケード通りの真ん中に立つ家族と、背景の通天閣タワー
タワー本体に縦に付いた「通天閣」の文字と日立の看板。この角度が新世界で最も良く映る

チケットを買って上るまで

チケット売り場と入場は地下で始まる。エレベーターで一度に頂上まで行くのではなく、途中で乗り換える構造なので、初めて来るとちょっと戸惑う。案内の職員が手振りで列を整理してくれるので、ついていけばいい。下りるときに使うエレベーターのドアには、夜景の中の通天閣のイラストと「またのご来塔を」が貼られており、その上に「ここは2階です」という黄色い紙がテープで貼られていた。こうした手書きのような案内が、このタワー独特の昔懐かしい雰囲気を作り出している。

通天閣のイラストが描かれたエレベーターの前で、ピースサインをしている3人
下りのエレベーター前。ドアの上の「ここは2階です」の案内がなければ、もう一階さまよっていただろう

展望台から見た大阪

展望階に上がると、ガラス一周が丸ごと街である。西側にはあべのハルカスが曇り空に切れており、足元には阪神高速の高架が灰色の帯のように走っている。その日は雲が低く覆っていて、山の稜線が霧に半ば沈んでいた。晴れた日の写真と比べると残念だが、代わりに街の灰色のトーンが丸ごと生き生きとしている。

通天閣の展望台のガラス窓越しに広がる大阪市内、低く覆った雲、下に見える天王寺動物園と高速道路
右下の樹が茂った区域は天王寺動物園。ガラスの反射で照明が丸く写った

私が最も長く立っていた場所は、床の方だった。下の階の屋外デッキから金網越しに新世界アーケードを見下ろすと、屋根のガラスを通して人々が歩いているのがそのまま映る。さっき私たちが写真を撮ったあの場所だ。視線が垂直に落ちるから、足に力が入った。高所恐怖症があれば、この角度は避けた方がいい。

展望台の金網の柵越しに垂直に見下ろした新世界アーケード商店街の屋根と路地
アーケードの屋根が2本に伸びており、その間を人々が豆粒のように通る

行き方は簡単である。地下鉄堺筋線恵比寿町駅または御堂筋線動物園前駅から徒歩5分ほどで、JR新今宮駅からもアーケードに沿ってずっと歩くと到着する。道そのものがすでに見物の価値があるので、地下鉄の出口から気ままに歩くことを勧める。

展望階を巡る七柱の神

展望階のガラス窓の前には、方角ごとにガラスケースが置かれており、その中に七福神の木造像が一体ずつ座っている。体がぽっちゃりしていて顔が漫画みたいなので、最初はグッズだと思ったが、照明を下から受けることで木目が生き生きとしているのは、なかなか手の込んだ彫刻だった。窓外の街を背景に撮ると、像と大阪が1フレームに入る。

ガラスケースの中の木製吉祥天像、背後にEAST方位表示と大阪市内
東側の窓際の吉祥天。上部にEAST表示が付いている
兜をかぶり眉をひそめた木製毘沙門天像
毘沙門天。七福神の中で最も厳しい表情だが、ぽっちゃりした体のせいで恐ろしくない
釣り竿と赤い鯛を持って笑う木製恵比寿像
恵比寿。鯛のオレンジ色だけ塗られているので、目がそこへ行く
琵琶を持って座る木製弁財天像
弁財天。ケースの右側にビリケン関連の案内板が少し引っかかっている
赤い頭巾をかぶり槌を持つ木製大黒天像
大黒天。手に持った槌の金色が照明に光る
腹を出して大きく笑う木製布袋像
布袋。七体の中で唯一歯を見せて笑っている
鹿を抱いて座る木製寿老人像、窓の外にあべのハルカスが見える
寿老人の背後にあべのハルカスがぼんやりと立っている

下の階へ降りると出てくる昔の新世界

展望階から階段を下りると、初代通天閣とルナパークを再現したジオラマ室がある。照明が紫色なので写真がうまく映らないが、近くで見ると人形1体1体が違った顔をしている。鳥かごの中のフラミンゴ、八角形の東屋、万国旗まで付いているので、子どもたちはここでしばらく止まった。今立っているタワーが二代目だという事実をここで知ることになる。

初代通天閣とルナパークを再現したジオラマ、万国旗と赤い鳥かご、人形が配置されている
初代通天閣とルナパークのジオラマ。背後の壁面は実際の古い写真を拡大して貼ったもの

同じ階の奥にはビリケンコーナーがある。足の裏をこすると願いが叶うという、その福神である。壁に顔のレリーフが大きく嵌め込まれており、その下に白いベスパが立てられているが、上部の壁画の「大阪の休日/串カツを食べて通天閣へレッツゴー!」というテキストとセットで見ると、意図が明確だ。ローマの休日のパロディである。横の引き出しは、お守りを引く機械で、200円のビリケンお守りカードを生まれた月に合わせて引く方式である。

ピンクの壁に付いた大きなビリケンの顔レリーフと、その前に立つ白いベスパスクーター
口に穴が開いたビリケンのレリーフ。「真実の口」の位置にビリケンを配置した
ビリケンコーナー全景、左に木製ビリケン像と貯金箱、中央に200円お守り引き出し機
左の木製ビリケン像の下に「BILLIKEN THINGS-AS-THEY(OUGHT-TO-BE)」の銘板と鳥の貯金箱が置かれている
顔の穴が開いた金色のビリケンフォトスポットに顔を入れた子どもと、隣に置かれた通天閣の模型
金色のビリケン顔穴フォトスポット。隣の通天閣の模型は車輪が付いているため位置が頻繁に変わる

グリコとお菓子キャラクターが占拠した階

タワーの中にはグリコの展示スペースがある。道頓堀の看板で馴染みのランナーは、ここでは壁一面を埋める赤いピクセルパネルとして掛かっており、隣に「おいしくって丈夫になる/1粒300メートル」という昔のコピーがそのまま書かれている。大阪で始まった会社なので、このタワーに場所を持つのは自然である。

赤いピクセルパネルで作ったグリコランナーの壁面と「1粒300メートル」の日本語コピー
ピクセル1つ1つが突起になっているので、近くで見ると触感が気になる
大阪城と通天閣が描かれた背景を走るグリコランナーのイラストと「グリコ屋ワクワクスポット」ロゴ
背景に大阪城・海遊館・ドーム・通天閣を全部入れた「グリコ屋」入口の壁

子どもたちが最も長く引き止められたのはポッキーのゲーム機だった。ボタンを押してタイマーを正確に11.11に止めるという単純な仕掛けなのに、上の子が11.16で止めて分解してしまった。隣に貼ったグリコ製品の年表を大人たちが読んでいる間、子どもたちは引き続きボタンを押した。

ポッキーの装飾が付いた赤いゲーム機の前で11.11に挑戦する子どもたち、画面に11.16と表示されている
「狙え!!ジャスト11.11」— 結果は11.16。5回ほど再挑戦した
ガラスの陳列ケース内の金色のチョッパーフィギュア、台座に「グリコ×ワンピース フィルム ゴルド」の文字
グリコ×ワンピース フィルム ゴルド コラボ チョッパー。コーンとスプーンを持つ姿勢がランナーのポーズを踏襲している
モリナガキヨロちゃんのキャラクター人形3体が置かれたお菓子売り場、「大阪 キヨロちゃんズ」看板
同じ階のお菓子店のモリナガのキヨロちゃん。看板に「大阪弁練習中、なんでやねん、くえっ!」と書かれていて笑った

タワースライダー — これに乗らないと損だ

ここがこの日のメインイベントだ。展望台から下階までタワーの外壁に巻き付いて降りてくるスライダーがあるが、窓越しに銀色のチューブが螺旋状に巻き付いて降りていくのが見える。途中々々透明な区間があって、中にいる人が通過するのが映る。それを見てしまうと、乗らないわけにはいかない。

展望台の窓越しに見えるタワースライダーの銀色の螺旋チューブ構造物、下に駐車場とTOWER KNIVES OSAKA看板
タワーの外壁に吊り下げられたスライダーチューブ。窓内側の金網越しに撮った

出発地点は信号機を丸ごと貼り付けた赤い部屋である。青・黄・赤のLEDが実際に点灯しており、前の人が完全に抜け出すと青に変わる。案内の職員がマットを敷いてくれて、姿勢を整えてくれる。膝を立てず、腕を胸に集めるよう手振りで教えてくれた。横にはヘルメットを入れる鉄製のバスケットがあり、壁の温度計は21℃、湿度39%を示していた。

タワースライダー出発地点、上に青黄赤の信号機が点灯し、ステンレスの滑り台が青い円形トンネル入口につながる
出発台。左下に黄色いヘルメットが入った返却バスケット、右側に待機列が続く

青い円形の入口に入る瞬間、視界が真っ暗になり、すぐに加速が付く。最初のカーブで体が外側へぐっと傾いた。ステンレス製なので摩擦がほぼなく、思いのほかずっと速い。暗闇の中を何回転かしてから、透明な区間で急に空と新世界の屋根がぱっと現れるのだが、その瞬間が最高だ。私の悲鳴はその区間で出た。到着まで30秒かからない。短く感じるが、それほど密度が濃い。

展望だけを見て下りてくるつもりなら考え直すこと。このタワーで体で記憶に残るのはスライダーの方だ。

乗る時に知っておくと良いこと。スライダーは展望台入場料と別料金で、身長・年齢制限があるので小さい子どもは乗れない可能性がある(現場確認推奨)。ポケットの中のものはすべて出さなければならず、携帯電話での撮影もできない。スカートや薄いストッキングの場合は、摩擦で擦れる可能性があるので、ズボンの方がよい。行列は午後遅くなると長くなった — 私たちが立った時は20人ほど前にいて、15分ほど待った。

訪れた後に残った思い

通天閣は高さで勝負するタワーではない。あべのハルカスがすぐ隣に高く立っており、展望自体だけで比較するとそちらの方が良い。代わりに、ここには七福神の木像、昔のルナパークのジオラマ、ビリケン、グリコランナー、そしてタワーの外を巻いて降りるスライダーが層々と積まれている。整備された観光地というより、百年以上あれこれ付け足してきた近所のランドマークに近い。

降りてきてアーケードに出ると、串カツ屋から油の匂いがふわっと漂ってきた。スライダーからまだ心臓が高鳴ったまま、子どもたちが「もう一回」と言い張るのをなだめながら、夕食を食べる店を選んだ。次に来る時は、晴れた日の夕方に合わせて上ってみるつもりだ。

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